Seven Saturdays

The Shallow End

キラキラと輝き出すクリスマスの街並。凛とした空気が冷たくて、人肌が恋しくなるような胸がきゅっとしめつけられるような 美しく壮大でロマンチックな贈り物。

BIO

Mullholland Drive にモルトスコッチ、そしてスコットランド、エディンバラのクリスマスツリー・・・。常識的にこれらはまったく関係ないものである。だが、このオーケストラニスタであり、バンドとして多彩な楽器をあやつる Seven Saturdays のジョナサン・ハスケルはこれら無関係のもの達を1つの音楽とし、 映画のような意味を持たせるのだ。

生粋のロサンゼルスっ子であったジョナサン・ハスケルはヘッドフォンで聞くべき Seven Saturdays が奏でる絶妙なニュアンスの音楽を作ることに長 い時間を費やした。スコッチを運びながらエディンバラの石畳の道を歩いている途中、差し迫った帰国までの期限に彼はロサンゼルスからは逃げられないと言う自分の運命に思いを馳せた。その思いとともに Seven Saturdays の音楽は彼の故郷への愛と憎しみで溢れている。「僕はどうやって音楽は自分に感覚を与えてくれるのだろうということにより疑問をもつようになった。そして同時に、録音したい音について少し自己中心的になったんだ。大抵僕は音楽を車の中で聞く。

そして、響く音達は僕を感動させるんだよ。特に夜中に急な Mullholland Drive のカーブを運転している最中には。夜中に曲がりくねった道を運転することは何にもかえられない思いをくれるね・・・。小さ くなったり、大きくなったりする渦を巻いた音が全方向から溢れて来て、新しい感覚と、目的をくれるのさ。」Seven Saturdays はこの新しいエネルギーと成長とともにロサンゼルスに囚われているという感覚の直接的な結果である。「ロスからの逃げ道なんてないんだ。一度ここに産まれたら、例えどこに引っ越 し をしようがここの影響からは逃げられない。」

Seven Saturdays はジョナサン・ハスケルと Daniel Farris (St. Vincent, The Black Pill)により暗 い疎外されたロサンゼルスのダウンタウンで録音、プロデュース、ミックスが行われた。そして心を揺さぶるストリングスの音、スローテンポなビート、繊細なキーボードと冷ややかな声達も録音された Seven Saturdays は印象的な才能あるミュージシャン達から成っている。Lester Nuby (Verbena, Terra Naomi) Morgan Grace Kibby (M83),Mike Garson (David Bowie, Smashing Pumpkins), Wesley Precourt (Dave Stewart, Jenny Lewis) そして Eric Heywood (The Pretenders, Ray LaMontagne) がそうだ。

初めに、Seven Saturdays はジョナサン・ハスケルのサイドプロジェクトである。彼の複雑な子どもとでもいうべき今年の初めに10インチシングル "New Hope In Soft Light" がリリースされた FIRS とは完全に分離しているものだ。だが両プロジェクトはどちらも彼自身の鏡のようなものである。音楽的にも方向的にも FIRS と Seven Saturdays を組み合わせると彼の成し遂げたいビジョンが明確になってくる。

本作 "THE SHALLOW END" のプロデュースは St. Vincent などのデビューアルバムを手がけた Daniel Farris が担当しており、レコーディングメンバーには Morgan Grace Kibby (M83)、Wesley Precourt (Jenny Lewis)、Mike Garson (David Bowieの数々のアルバムに鍵盤で参加)、Eric Heywood (Son Volt, The Pretenders らのアルバムに参加しているスチールギター奏者)、Lester Nuby (Verbena)といった豪華レジェンド達が名を連ねている。

Isbells

"The Shallow End"

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NOW ON SALE

01.New Hope In Soft Light

02.Secret Things

03.Good Morning, I Love You

04.Au Revoir

05.Terrified Of Breaking Down

06.Piano Interlude I

07.A Beautiful Day

08.Piano Interlude II

09.The Snowflakes That Hit Us Became Our Stars

10.Piano Interlude III

11.True Romance

12.True Romance (Strangeloop Remix)

13.The Shallow End (White Sea Remix)

14.Lost Mammals

Produced by Daniel Farris & Jonathan D. Haskell Co-produced by Lester Nuby Recorded & Mixed by Daniel Farris at Denial Labs, Downtown Los Angeles Fender Rhodes, Guitar, Vibraphone, Glockenspiel & Waldorf Micro Q by Jonathan D. Haskell Violin by Wesley Precourt Viola by Jeanie Lim Cello by Paul Wiancko Bass by Lester Nuby Drums by Alexa Brinkschulte Additional drums by Lester Nuby Additional programming by Charles K. Davis Guitars & magic loops by Daniel Farris Additional Vocals by Julie Morin, Alistair Milne, Kari Kimmel, Brianna Gargiulo, Sheigh Ricard and featuring Morgan Grace Kibby Flute by Gina Luciani Piano by Mike Garson Pedal Steel by Eric Heywood Roland Juno 60 by Daniel Farris Shortwave Radio recorded on Mulholland Drive & The Santa Monica Pier

All songs by Jonathan D. Haskell, except :: Piano Interlude I, II & III by Jonathan D. Haskell, Daniel Farris & Mike Garson True Romance (Strangeloop Remix) & Lost Mammals by David Wexler & Jonathan D. Haskell The Shallow End (White Sea Remix) by Morgan Grace Kibby & Jonathan D. Haskell

Mastered by Roger Seibel, SAE Mastering

Seven Saturdays is Jonathan D. Haskell

Cover Art by DKNG: Dan Kuhlken & Nathan Goldman Art Direction and Design by Moorworks

Lunada Publishing/Criterion Music Corp. (ASCAP) 2010

PHOTO

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VIDEO

スコットランドとアメリカ間の絆は300年前、大勢のタータンチェックを着た人々がより良い暮らしを求めて大西洋を渡ったときからの繋がりである。それから積極的に祖先を辿ってやってくる西洋の従兄弟達は親族との絆を深め、観光業を発展してきた。面白い事に Seven Saturdays のジョナサン・ハスケルはケルト民族の血を引いているわけでも無く、移民してきた先祖の成功話もない。その代わりハスケルは幼少の頃、神話の怪獣に惹かれスコットランドに夢中になる。『小学校の時「世界の国レポート」を作製する授業でスコットランドについてのレポートを書いたのを覚えている」と彼は言う。『当時はネス湖の怪獣について調べ、レポート内容を増やすためにイラストを書きたかっただけだけど、その後も好奇心はずっと続いた。』

彼のかつてのバンド、Angles Drake が解散しハリーウッド・ヒルズからエディンバラへの引っ越しは、一度頭をすっきりさせるためには好都合だった。歴史に包まれた町の情景や音に創作意欲を刺激され、彼は自身の中での聖域を見つけだした。エディンバラを『夢の場所』と語る。『何もせずただ歩き回って探検してただけだけど、勿論お酒を飲みながらね。そのうち又音楽にたずさわりたくなってきた。最初はボーカルと歌詞だけで曲を書き始めた。でもお金が無くなってロサンゼルスに戻った時、又沈むような恐ろしさを感じた。以前と同じような独創性に欠けたくだらないバンドでロスのミュージックシーンに戻りたくなかった。』停滞を恐れてハスケルは新鮮な気持ちでソロ活動、Seven Saturdays に専念するようになった。新しく作り出された広大な器楽曲シンフォニーは Angles Drake の COLDPLAY の様なロックとはかけ離れた作品に仕上がった。当然ながら、この大きな方向転換には彼自身も自信が無かった。『このプロジェクトの方向性が見えてきた時に彼女にデモを聞いてもらい、ローズ・ピアノとアクスティック・ドラムで形成するバンドは受け入れられるかなぁ・・・と問いかけたのを覚えている。二人とも独善的な失敗作になるだろうと思ってた。』しかし失敗作どころか Seven Saturdays の飛躍でハスケルに注目が集まった。Stereogum や Drowned in Sound などの発信サイトでも勢いのある感情的な音と評価され、彼自身でプロデュースしたデビューEPはフランスの Air や、アンビエントな Brian Eno 等と比較された。これがハスケルが必要としていた自信へと繋がった。『このような評価を頂き、何年もかけて培ってきた努力が立証された気分になった。全然周りの評価が気にならなっかったと言ったら嘘ですから。』と語る。『良い評価は何時間も頭に残り、そして直ぐ又ツアーのブッキング、プロモーション活動を再開する活力になる。何かしら歯車が噛み合っていると実感できる。』

ハスケルは満たされる音楽を作りたい、華やかなポップを作る気はないと語る。フィルム・ノワールを思わせる音源は視覚の刺激をも求めている。『ライブではビジュアル、映像、照明全ての要素が大切になってくる』とハスケルは語る。『観客には感覚を揺さぶる経験をしてもらいたいから僕にとってこれらの要素は音楽と同じ位大切なんだ。多情な音と映像に包まれている感覚を感じてほしい。音で窒息してほしい。』

歌詞の無い作曲の窮屈さはハスケルの原点。Seven Saturdays は都会の隠遁者のための音楽の様。都心で生活できない人たちに合う音。巨大なスカイラインや密集した道路に嫌悪感を感じる音。その様な風景に囲まれハスケルは自分の周囲を理解しているようである。『ロサンゼルスは空虚の地。一度引き込まれるとぐっと掴まれて他の全ての場所や物事が大切ではなくなる。一歩外に出るのが難しくなる。でも外に出れた時は一気に開放感と平穏を感じる。でも僕はロスのミュージックシーンでの立ち位置を見つけて、状況が厳しいほど音楽に打ち込めるようになった。混乱の中で音楽を作るのが好きなんだろうね。』

一年以内にイギリスツアーを控えているハスケルは、自分が落ち着ける場所に戻れる事を楽しみにしている。スコットランドは4年ぶりだが『凄く惨めな天気』だけは鮮明に覚えていると彼は語る。『そんな天気も本当に大好きなんだ。』